東京都は首都直下地震に備え、上水道の幹線送水管が損傷しても代わりに送水できる新たな送水管を整備する。水道水を作る浄水場と、作った水道水を各家庭に送る給水所をつなぐ送水管を二重化し、代替機能を持たせる。東日本大震災では地震の衝撃で送水管が破損し、約230万世帯が断水した。都は同様の破損が都内で起きた場合、都心部に甚大な影響を与えるとみて整備を急ぐ。
約740億円を投じ、2つの送水管を二重化する。2012年度に朝霞浄水場(埼玉県朝霞市)と上井草給水所(東京・杉並)を結ぶ送水管路「朝霞上井草線」を二重化する工事に着手。17年度に完成させる。事業費は約350億円となる見通し。
13年度には東村山浄水場(東京都東村山市)と東大和給水所(東京都東大和市)をつなぐ「多摩南北幹線東大和線」の代替送水管の整備を始める。こちらも17年度に完成させる予定で、事業費は約390億円を見込む。
都はこの2つの幹線送水管を早急に整備が必要な重要路線と位置付けている。いずれも水道水の製造量が多い浄水場から水を送る。都はこれまでも給水所が複数の路線から水道水を確保できるように送配水網を築いてきた。ただこの2路線が遮断されると必要な供給量自体が給水所に行き渡らない。
例えば朝霞上井草線は日量170万トンと都の浄水場で最大の製造能力を持つ朝霞浄水場から、日量120万トンを送れる。仮にこの路線の送水管が破損した場合、都南部の約60万人に水が行き届かない恐れがあるという。
また多摩南北幹線東大和線は日量126万トンの製造能力を備える東村山浄水場から、多摩地域に日量40万トンを送れる。多摩地域では東村山浄水場以外に日量28万トンの小作浄水場(東京都羽村市)しか持たないため、必要な供給量の大部分を断たれることになる。都の試算では50万人が断水の被害に遭う可能性がある。
新たに整備する送水管は現在の送水管に沿うように道路の地下に敷設する。ただ道幅が狭く2本の管を通せないときは迂回させる。新しい送水管は阪神大震災クラスの地震の衝撃に耐えるという。
東日本大震災では送水管の破損などにより、187市町村の約230万世帯で断水が発生した。宮城県の場合、南部山浄水場(宮城県白石市)から約3キロメートル地点で発生した送水管の破損事故などの影響で、県内約62万世帯が断水。送水管の復旧完了までに約1カ月を要した。
都は現在、給水所から家庭などに水を送る配水管を耐震性の高い「耐震継手(つぎて)管」に順次切り替えており、19年度までに全体の約5割の交換を終える計画だ。並行して浄水場と給水所をつなぐ送水管の二重化を進め、災害時にも安定的に給水を継続できる体制を整える。
(clioneから)
東京都は首都直下地震に備え、上水道の幹線送水管が損傷しても代わりに送水できる新たな送水管を整備する。水道水を作る浄水場と、作った水道水を各家庭に送る給水所をつなぐ送水管を二重化し、代替機能を持たせる。東日本大震災では地震の衝撃で送水管が破損し...